キカイダー01

私は化粧が苦手だ。

どうして肌の上に皮膚呼吸が困難になるおしろい(死語)を塗らねばならんのか。その上に最低限眉毛を施し、且つ多くの場合マスカラや頬紅、口紅を塗り塗りしなければならないのか。

あまりに面倒であるが、いい年をこいてすっぴんを披露するほどお肌に自信があるはずもなく、致し方なく毎朝最低限塗り塗りを実施しておる。しかしあまりに面倒くさくて、前髪で見えないだろうと眉毛から下だけファンデを塗って上下キカイダーみたいな色で出かけて行ったり、昨日などは、眉毛をあまりにいい加減に書いた結果、右側の眉をホントの眉毛の上にもう一本書いて、顔に眉毛が3本ある状態で出かけかけた程である。

男性諸氏はご存じないかもしれないが、ファンデーションでもただ塗りゃよしとか眉毛はただ書けばよしというものでもないらしい。正式なメークでは、眉毛のペンの持ち方から指南されたり、マスカラもビューラーというのを使ってくるっとした上から長く見える繊維質を含んだヤツとかを施さねばならないとか、口紅も下地やら光るやつやら何種類もあり、唇なんぞ油モン食っときゃ光るやないかとは言ってはならぬめんどくせ~代物なのである。

しかし一応経営のご指導とかプレゼンの先生というのも生業としており、「ビジネスでは第一印象が重要ですよ」などと普段エラそうに言っている以上、メイクもそれなりにちゃんとせねばならない。

そして今週末、大事なプレゼンが迫っておる。

持てる技術を駆使して、なんとかそれなりのメークを施す必要があるが、そもそもの技術力が低いので徒労に終わることも否めない。であるならば、万札を握りしめ、ファンデーションやその他諸々の商品を買うことを前提に、プレゼン前の時間に、できるだけ人生で避けて来たデパート1Fの化粧品屋にすっぴんで赴き、素顔が不明なほどの造作を施している美容部員(死語)のおねーさん(きっと20歳代)に、いっそ1から塗ってもらおうかとも思う個人事業主なのでR